話題を聞き解く|義肢装具士の仕事

学生の指導に当たるかたわら、自らも大学院生として新しい技術の研究開発に挑む(人間総合科学大学)

※この記事は、公益社団法人浦和法人会の会報第246号(2022年4月1日発行)に掲載されたものです。
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日常の足、”熱戦”の足 感覚的な精密調整
人間総合科学大学助教 本道伸弘さん

北京2022パラリンピック――。滑り終えて、左手を高々とあげた姿が目に焼き付いている。アルペンスキー女子滑降座位で、深谷市出身の村岡桃佳さん(トヨタ自動車)が、日本勢金メダル第1号を獲得。日本選手団の活躍に弾みをつけた。

大会には、パラリンピアンを支える技術者たちがいる。義肢装具士。選手村の修理サービスセンターや競技場の修理ブースなどで、義足や車いすなどの修理やメンテナンスを無償で行い、熱戦を支える。障害があるアスリートの能力を最大限に引き出すことを追求し、進化を続ける競技用の義肢装具。その調整にはミリ単位の精度が求められると聞く。

それほどシビアな技術を持つ義肢装具士とは、どんな職業なのだろう。そして、技術の進化は、一般の義肢装具利用者の生活にどんな未来をもたらすのだろう。研究者に聞き解こう。

義足の内部に「継手」が見える(写真奥)。手前は義足ブレード