再考『八ッ場ダム』 地方紙が伝えた10年【上】

「脱ダム」登紀子さん悩む|朝日新聞2006年10月6日(月刊RIVER LIFE 2009年12月号に収録)

八ツ場ダム 来春完成。
『脱ダム』から、私たちは何を学んだのでしょう。

群馬県長野原町で建設が進むの八ツ場(やんば)ダムが来春完成します。長野原町はダムを観光名所として盛り上げようと、ダム湖予定地に架かる八ツ場大橋でバンジージャンプの営業を始めました。ダム湖に水をためるまでは日本一の高さ(105m)とか。ひと飛び2万円らしいですが、この日もこわいもの見たさに若者が谷底めがけて次々に飛び出して行きました。(編集部 阿久戸嘉彦)

※この記事は、2019年4月19日に投稿したものです。

川原湯温泉。自然湧出の源泉や元の温泉街は、八ツ場ダムの湖底に沈んだ(2009年9月撮影)

ダム建設の根拠は何だったのか。
創刊10年の節目に、利水と治水の両面から考えます。

1999年、八ツ場ダムは民主党政権下で建設中止に揺れました。全国の地方新聞から川や水にまつわる記事をクリッピングした『月刊RIVER LIFE』は、地方新聞が報道した過去10年分(1999~2009年)の記事を再集録した特別企画を、創刊10年の節目に2009年10月号から7カ月間にわたって展開しました。

ダム問題をめぐっては水源地に暮らす人々の思いや声を見逃すわけにはいきません。地域に根づいた地方新聞の視点から、水源地の声を都市へ、都市の声を水源地へ届ける試みでした。

巻頭では治水の歴史に詳しい東洋大学教授(当時)の松浦茂樹氏のインタビューを掲載。八ツ場ダム建設の根拠は何か。利水と治水の両面から八ツ場ダムを考える手がかりを語っていただきました。

※この記事は、2019年4月19日に投稿したものです。
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※松浦氏は2022年に亡くなられました。心からご冥福をお祈りいたします。